賃貸住宅の管理を業として行う場合、
一定の条件を満たすと「賃貸住宅管理業者登録」が必要になります。
特に管理戸数が増えてきた事業者の方から、
「そろそろ対象かもしれないが、何から手を付ければいいか分からない」
という相談を多く受けます。
今回は、登録時によく確認が必要なポイントを
実務目線で整理します。
1.業務管理者の配置(営業所・事務所ごとに1名以上)
各営業所または事務所ごとに、業務管理者を1名以上配置する必要があります。
兼任には制限があり、誰でもなれるわけではありません。
業務管理者には、賃貸管理に関する知識と経験が求められます。
主な認定経路は以下のとおりです。
・管理業務に関する実務経験2年以上+登録試験合格
・管理業務に関する実務経験2年以上+宅地建物取引士+指定講習修了
実務経験に代わる講習を修了している場合も対象となります。
なお、「宅建士がいるから大丈夫」と思われがちですが、
宅建士資格だけでは要件を満たさないケースもあるため注意が必要です。
2.財産的基礎(財務面の要件)
登録には、一定の財務要件を満たしていることが求められます。
審査は直近の決算書をもとに行われ、更新時にも再確認されます。
以下のいずれかを満たす必要があります。
・直近の事業年度で債務超過でない
・直近2期連続で当期純利益を計上している
・債務超過であっても、役員借入金を控除すると資産超過となる
登録時は問題なくても、
更新時に赤字が続き更新できなくなるケースもあるため、
事前に貸借対照表や損益計算書を確認しておくことが重要です。
3.業務運営・管理体制の整備
管理受託契約を締結する前の重要事項説明や書面交付、
管理業務の記録保存、苦情対応体制の整備などが義務付けられています。
また、報酬や管理内容の明示、
業務の実施状況をオーナーへ定期的に報告する仕組みも必要です。
「実務は今まで通りでいい」というわけにはいかず、
制度に沿った体制整備が求められます。
4.分別管理(預り金の管理)
入居者から受け取る賃料や敷金、
オーナーから預かる金銭は、
事業者自身の資金と分けて管理する必要があります。
会計上の区分だけでなく、
口座管理のルールや内部規程を整えておくことが重要です。
5.欠格事由の確認
申請者(法人の場合は役員等)に、
犯罪歴や破産などの欠格事由がないことが必要です。
申請書類に記載された個人情報は、
必要に応じて警察当局に提供される場合があります。
6.提出書類と申請方法
申請は原則として、
賃貸住宅管理業登録等電子申請システムを利用します。
郵送による申請も可能ですが、
電子申請の方が処理が早いとされています。
主な提出書類は、
申請書、定款、登記事項証明書、決算書、
業務管理者関係書類、事務所図面、誓約書などです。
7.登録の有効期間と更新
登録の有効期間は5年です。
更新申請は、有効期間満了日の90日前から30日前までの間に行う必要があります。
更新時にも財務書類などの提出が求められるため、
「登録して終わり」ではない点に注意が必要です。
まとめ
賃貸管理業者登録は、
単なる書類提出ではなく、
登録後の運用や更新まで含めて考える必要があります。
特に、
・業務管理者の要件
・財務状況
・登録後の義務
は、つまずきやすいポイントです。
「自社が登録対象か分からない」
「この体制で足りているか不安」
という場合は、早めに整理しておくことをおすすめします。
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