退去時の「ハウスクリーニング代」をめぐって、入居者とトラブルになるケースは非常に多くあります。
「契約書に特約で書いてあるから請求できる」と思っていても、その特約が無効とされることも少なくありません。
本記事では、行政書士の立場から、ハウスクリーニング特約の有効・無効の判断基準と、トラブルを防ぐ書き方を解説します。
なぜハウスクリーニング特約はトラブルになりやすいのか
借主が「普通に使っただけなのに払うのは不当」と主張するケース。この借主の考えは当然といえば当然です。一方で、オーナーや管理会社は「特約があるから当然請求できる」と考えているケースがあげられます。この2つの考え方に大きな差があり、トラブルになりやすいのです。
国交省ガイドラインと消費者契約法の立場
消費者契約法10条との関係
- 消費者に一方的に不利益を課す特約は「無効」とされる可能性
- 判例・裁判例でも「社会通念上相当を超える請求」は認められない傾向
通常契約は自由に締結することができます。すなわち特約も自由に締結できるはずです。
ただし、消費者契約法10条により消費者である賃借人は守られているため、一方的に不利益を課す特約は無効とされる可能性があります。
有効とされるハウスクリーニング特約の条件
有効特約にする3つのポイント
- 清掃内容を具体的に明示(例:エアコン内部洗浄は意見相違の一因です)
- 借主が事前に内容を理解し、合意していること(契約時に明示、契約書に記載)
- 金額が社会通念上相当(実費ベース・根拠あり)
特約を有効にするには契約の時点で借主に納得をしてもらうことが極めて大事で、納得してもらうには、ハウスクリーニングの内容と金額が合理的である必要があります。
推奨文例
借主は、退去時における通常清掃の費用(実費相当額)を負担するものとし、貸主は清掃業者の見積・請求書を提示するものとする。
→ このように実費+根拠提示+明確説明をセットにすることで、有効性が高まります。
まとめ|トラブルを防ぐために
- 特約は「一文」で済ませず、**根拠・説明・証拠(見積書)**が大切。
- 契約時の「特約にしっかり記載しておくこと」が◎
- 無効リスクが高いのは「定額」「根拠なし」「説明不足」の3点
- 有効にするには「実費」「明示」「合意」がキーワード
- 書式の整備は、賃貸経営における最大の防御策です。
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